エレキギターを買うと、取扱説明書や教則本、動画の中に、ヘッド、ナット、ブリッジなど、聞き慣れない言葉が次々に出てきます。部位の名前と役割を知っておくと、調整や不具合の相談もしやすくなります。この記事では、エレキギターの各部を、弦の先から順にたどって説明します。
この記事の要点
- エレキギターは、ヘッド、ネック、ボディの3つの大きな部分でできている
- 弦は「ペグ」で巻かれ、「ナット」と「ブリッジ」の間で振動する
- 音は「ピックアップ」で電気信号になり、つまみとセレクターで調整して、ジャックから出力される
全体像:3つの大きな部分
エレキギターは、大きく3つの部分に分けられます。
- ヘッド:ギターの先端。弦を巻き取る部品が付いている。
- ネック:ヘッドとボディをつなぐ細長い部分。指で弦を押さえる場所。
- ボディ:ギターの本体。ピックアップやブリッジ、つまみが付いている。
弦は、ヘッドからネックの上を通り、ボディのブリッジまで張られています。弦が振動し、その動きをピックアップが電気信号に変え、アンプで音になります。
ヘッドまわりの部品
ヘッド
ネックの先端にある部分です。弦の巻き取り部品(ペグ)を取り付けるための土台になっています。メーカーのロゴが付くことも多い場所です。
ペグ(チューニングマシン)
弦を巻き取って、弦の張りを調整する部品です。回すと弦が締まって音が高くなり、緩めると低くなります。一般的なエレキギターには6本分のペグが付いています。ペグには、回す動きを減速するギアが入っており、細かい音程の調整ができます。ペグの種類や、取り付けの向きは、ギターのタイプによって違います。
ナット
ヘッドとネックの境目にある、弦を支える小さな部品です。弦が通る6つの溝があり、弦の間隔と、弦の高さを決めます。材質には、プラスチック系や、骨などの素材が使われます。ナットの溝の状態が悪いと、チューニングが狂いやすくなる場合があります。
トラスロッドカバーとトラスロッド
ネックの内部には、トラスロッドと呼ばれる金属の棒が入っています。ネックの反りを調整するためのもので、ヘッド側やボディ側から回して調整します。ヘッドにあるカバーは、その調整口を覆う板です。トラスロッドを回しすぎると、ネックを傷める恐れがあります。調整に不安がある場合は、楽器店やリペア(修理・調整の専門店)に相談してください。
ネックの部品
ネック
弦を押さえる細長い部分です。握ったときの感触が、弾きやすさに大きく影響します。ネックの断面の形状(Cシェイプ、Uシェイプ、薄いタイプなど)や、幅、厚みは製品によって違います。
指板
ネックの表面に貼られた、フレットが打ち込まれる板です。使われる木材の種類によって、色や手触りが違います。
フレット
指板に打ち込まれた、金属の細い線です。弦を押さえたときに、弦が振動する長さを決め、音程を作ります。ヘッド側から数えて、1フレット、2フレットと呼びます。長く弾くとフレットがすり減り、音がビビったり、弦が当たったりすることがあります。フレットの交換や削り直しは、専門の技術が必要です。気になる場合は、リペアに相談してください。
ポジションマーク
指板の表面や側面にある、小さな点や模様です。3フレット、5フレット、7フレット、9フレット、12フレットなどにあり、位置を目で見つける目印になります。12フレットは、2つの点や模様で表されることが多く、オクターブ(ちょうど1オクターブ上の音)の位置にあたります。
ボディの部品
ボディ
ギターの本体です。多くのエレキギターは、中が詰まった「ソリッドボディ」です。形状によって、見た目や重さが変わります。ボディにピックアップ、ブリッジ、つまみ、ジャックが付いています。
ピックアップ
弦の振動を電気信号に変える部品です。弦の真下に付いており、通常は1つから3つが取り付けられています。ネック側のものを「フロント」、ブリッジ側のものを「リア」、その間のものを「センター」と呼びます。一般に、フロントは丸くやわらかい音、リアは鋭くはっきりした音になりやすいと言われます。
ブリッジ
弦をボディ側で支え、弦の高さと長さを調整する部品です。弦の長さの調整で、音程の正確さ(イントネーション)が決まります。ブリッジには、固定式と、アームで音程を揺らせるトレモロ式があります。
ストラップピン
ストラップを取り付けるための金属の突起です。ボディの下端(エンド側)と、ネック寄りのボディの角(ホーン)付近の2か所にあります。ストラップの穴に引っ掛けて使います。外れやすい場合は、落下防止のロックの仕組みを検討してください。ギター選びの全体像は エレキギターの選び方|初心者が確認したい7つのポイント、セットで揃える場合の考え方は エレキギター初心者セットの選び方|付属品と注意点 を参照してください。
音をコントロールする部品
| 部品 | 役割 |
|---|---|
| ボリューム | ギターから出る音の大きさを調整するつまみ |
| トーン | 音の明るさ(高音の量)を調整するつまみ |
| ピックアップセレクター | どのピックアップの音を使うかを切り替えるスイッチ |
| アウトプットジャック | シールド(ケーブル)をつなぐ出力端子 |
ボリュームとトーン
多くのエレキギターには、ボリュームのつまみと、トーンのつまみが付いています。ボリュームを絞ると音が小さくなり、トーンを絞ると高音が減って、こもった音になります。つまみの数や配置は、製品によって違います。
ピックアップセレクター
複数のピックアップを搭載したギターでは、セレクターで使うピックアップを切り替えます。3段階(3ウェイ)や5段階(5ウェイ)のスイッチが一般的で、フロント、リア、その組み合わせなどを選べます。切り替えによる音色の変化は製品によって異なります。
アウトプットジャック
シールドをつなぐ穴で、ボディの側面や表面に付いています。ここから、アンプなどに信号が出ます。ジャックが緩んだり、接触が悪くなったりすると、音が途切れたり、ノイズが出たりします。内部の配線に関わるため、自分で分解せず、専門店に相談するのが安全です。
部位の名前を覚えると役立つ場面
- お店に不具合を伝えるとき:「ナットの溝が欠けている」「ジャックの接触が悪い」など、具体的に伝えられる。
- パーツを調べるとき:ペグ、ブリッジ、ピックアップなどの規格を調べやすくなる。
- 中古の状態を確認するとき:各部の傷や摩耗を、順に見ていける。
アコースティックギターの各部名称は アコースティックギターの各部名称と役割 にまとめています。エレキギターとの共通点と違いを比べると、理解が深まります。
まとめ
- エレキギターは、ヘッド、ネック、ボディの3つで構成される。
- 弦は、ペグで張りを調整し、ナットとブリッジの間で振動する。
- ピックアップが弦の振動を電気信号にし、ボリューム、トーン、セレクターで調整してジャックから出力する。
- トラスロッドの調整やジャック内部の修理は、不安なら楽器店やリペアに相談する。





