ギターは、軽く見えても傷つきやすい楽器です。スタジオやレッスンへの持ち運び、引っ越し、宅配での発送では、ケースの選び方や運び方で状態が変わります。この記事では、ケースの種類と、移動・発送のときの基本的な考え方を整理します。
この記事の要点
- ケースは、ソフト・セミハード・ハードで保護性能と手軽さが異なります
- 車内の放置や、急な気温差は、ギターに負担をかけます
- 宅配で送る場合は、運送会社や梱包の条件を事前に確認します
ケースの種類と特徴
| 種類 | 特徴 | 向く場面 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| ソフトケース(ギグバッグ) | 軽く、背負えるものが多い。クッション性は製品により差がある | 近所への移動、スタジオやレッスン通い | 衝撃や圧力には弱い。他の荷物と重ねない |
| セミハードケース | ソフトとハードの中間。軽めで、ある程度の保護力がある | 日常の持ち運び全般 | 強い衝撃や荷重にはハードに劣る |
| ハードケース | 外殻が硬く、保護力が高い。重く、かさばる | 長距離移動、飛行機や宅配の輸送、大切なギターの保管 | 重く、持ち運びの負担が大きい |
どのケースでも、ギターのサイズや形に合っていることが重要です。中で動くと、移動中の振動で傷がつく場合があります。購入前に、対応する本体のサイズや形状を製品の説明で確認してください。ケースの選び方は、アクセサリーの全体像を扱う ギターアクセサリーの選び方|チューナー・シールド・ストラップ・弦・ピック・スタンド も参考になります。
電車・バス・徒歩での運び方
- ネック(細い部分)やヘッドを人やドアにぶつけないよう、持つ向きを意識する
- ケースは足元に置くか、膝の前で抱える。通路や出入口をふさがない
- 網棚や座席に、他の荷物を重ねて載せない
- 混雑する時間帯は、ギターの持ち込みを避けるのが無難
- 背負うタイプは、背中の向きに注意する。人に当たらない位置を意識する
公共交通機関では、手荷物のサイズや持ち込みのルールが事業者ごとに決まっていることがあります。長いものや大きい荷物の扱いは、利用する会社の案内を事前に確認してください。
車での運び方と気温差への注意
車に積むときは、荷物の下敷きになったり、急ブレーキで動いたりしない位置に固定します。トランクに積む場合も、他の荷物と重ならないようにしてください。
車内は、夏は高温、冬は低温になり、温度の変化が大きいです。ギターを車内に置いたままにすると、塗装や接着部分に負担がかかる恐れがあります。短時間の駐車でも、直射日光が当たる車内には置かないでください。保管の環境は ギターの保管方法|湿度・温度・置き場所の注意 にもまとめています。
気温差への注意
寒い屋外から暖かい室内に入ると、ギターの表面に結露が生じることがあります。ケースに入れたまま室内に置き、室温になじんでから取り出すと、急な温度変化の影響を和らげられます。
宅配で送るときの考え方
ギターを宅配で送る場合は、運送会社ごとに、取り扱いの条件、サイズや重さの制限、補償の範囲が決まっています。事前に、利用する会社の案内で確認してください。
| 項目 | 考え方 |
|---|---|
| ケース | ハードケースが基本。ソフトケースの場合は、さらに外側を保護する |
| ネックの固定 | ネック周りに緩衝材を詰め、ヘッドが動かないようにする |
| ボディ周りの隙間 | ケース内に隙間があれば、緩衝材で埋めて、中で動かないようにする |
| 外側の梱包 | ケースを丈夫な箱や梱包材で保護し、「壊れ物」などの表示を検討する |
| 補償 | 運送会社の補償内容を確認し、必要なら付加サービスを検討する |
梱包の方法は、楽器店や運送会社が案内していることがあります。大切なギターを送るときは、相談しながら決めると安心です。
弦を緩めるかどうか
輸送時に弦を緩めるかどうかは、考え方が分かれます。弦を緩めると、ネックにかかる張力が減るため、衝撃の影響を和らげる考え方があります。一方で、完全に緩めすぎると、状態が変わる場合もあるという意見もあります。
- 短時間の持ち運びなら、弦を張ったままが一般的です
- 長距離の輸送や発送では、少し緩める考え方があります
- ギターの種類や状態によっても異なるため、取扱説明書や楽器店の案内に従ってください
判断に迷うときは、購入した楽器店に相談してください。
引っ越しや長距離移動のときの考え方
引っ越しなどで、他の荷物と一緒に運ぶときは、ギターを他の荷物と別に扱い、重いものの下にならないように積むのが基本です。トラックや引っ越し業者に頼む場合は、楽器の取り扱いの可否や補償の条件を、事前に確認してください。
飛行機に載せる場合も、航空会社ごとに、機内への持ち込みと預け入れのルールが異なります。サイズや重さの制限、補償の扱いは、利用する会社の案内で確認してください。預ける場合は、ハードケースを使い、ケース内の隙間を埋めておくと安心です。
ケースの中の隙間と小物の入れ方
- ネックの下やヘッド周りに、柔らかい布を挟み、ネックが動かないようにする
- ケーブルやチューナーなどの硬い小物は、ギターの本体に当たらない位置か、専用ポケットに入れる
- ストラップのバックルや金属部分が、塗装に当たらないよう、布で包む
- カポタストは、弦に挟んだままにせず、取り外して収納する
小物がギターに当たると、移動中の振動で塗装に傷がつくことがあります。入れ方を決めておくと、毎回迷わずに済みます。
持ち運び前のチェックリスト
- ケースのファスナーや留め具が、しっかり閉まっている
- ケース内でギターが動かない
- ストラップ、ケーブル、チューナーなどの小物は、ギターに当たらない位置にまとめる
- 悪天候の場合は、雨対策をする(ケースの防水性は製品による)
- 乗り物のルールを事前に確認している
ストラップを使って演奏する場合の調整は ストラップの調整と立って弾くときのコツ で解説しています。
到着後の確認
移動や発送のあとは、ギターに異常がないか確認します。ケースから出したら、ボディやネックに傷や割れがないか、ブリッジやペグが緩んでいないか、弦が切れていないかを見ます。発送した場合は、受け取り時に、箱やケースの外側の状態も確認しておくと、万が一のときに状況を説明しやすくなります。
音程が大きく変わっている場合もあります。温度に慣れてから、チューニングを合わせ直してください。
まとめ
- ケースは、移動の距離や場面に合わせて選びます
- 車内の放置、直射日光、急な温度変化は避けます
- 宅配の梱包と補償は、運送会社の案内で確認します
- 弦を緩めるかどうかは、取扱説明書や楽器店の案内に従います
- 公共交通機関のルールは、出発前に確認します





