エフェクターをつなぐと、「ブーン」や「サー」といった雑音が気になることがあります。ノイズは、原因ごとに対処が違うため、どんな音なのかを見分けることが解決の第一歩です。
この記事では、ノイズの種類、原因を絞り込む手順、電源やケーブルの見直し、ノイズゲートの使いどころを整理します。電源の基本は エフェクターの電源の取り方|パワーサプライ・電池・ACアダプターの基本、つなぐ順番は エフェクターの接続順の基本|つなぐ順番で音が変わる理由 でも確認できます。
この記事の要点
- ノイズには、ハム、ホワイトノイズ、ヒス、ビリビリ音など種類があり、原因が異なる
- 切り分けは、構成を最小にして、1台ずつ足していくのが基本
- 電源、ケーブル、接続順、楽器側の要因を順に確認する
- ノイズゲートは、原因を確認したあとの手段として使う
ノイズの種類と特徴
| 種類 | 聞こえ方 | 主な原因の例 |
|---|---|---|
| ハムノイズ | 「ブーン」という低い音 | 電源まわりの電気的な干渉、シングルコイルのピックアップ、機器の接地の問題など |
| ホワイトノイズ・ヒス | 「サー」「シャー」という広い帯域の雑音。高い帯域が目立つものをヒスと呼ぶことが多い | 電子回路が持つノイズ、ゲインの上げすぎ、高域を持ち上げる設定、歪みの深さ、機器の特性 |
| ビリビリ(ガリ) | 「ガリガリ」「ビリビリ」という接触不良の音 | ケーブルの断線、ジャックの緩み、接点の汚れ |
まず確認すること
ノイズが出ているときは、慌てず、次の点を確認します。
- 弾いていないときも鳴るか、弾いたときだけ鳴るか
- 楽器のボリュームを絞ると、音が変わるか
- 体の向きや楽器の向きを変えると、音が変わるか
- 特定のエフェクターをオンにすると、増えるか
これらの観察から、原因の範囲を絞れます。たとえば、楽器の向きで音が変わる場合は、楽器側や周辺の電気機器の影響が考えられます。
原因を切り分ける手順
- 最小構成にする: エフェクターをすべて外し、楽器とアンプだけをつなぐ。ノイズが出なければ、エフェクター側に原因がある可能性が高い。
- ケーブルを替える: 楽器とアンプの間のシールドを、別のものに交換して確認する。
- エフェクターを1台ずつ足す: ノイズが増えたところで、そのエフェクターや電源、ケーブルを調べる。
- 電源を変える: 電池とACアダプター、または別のコンセントで確認する。電圧・極性は取扱説明書で確認する。
- つなぐ順番を見直す: 歪み系の位置や重ね方を変え、ノイズが変化するか確認する。
- 場所を変える: 蛍光灯やパソコンなど、電気機器から離れて確認する。
変更は、1度に1か所だけ行うのが原則です。複数同時に変えると、何が効いたのか分からなくなります。
電源が原因の場合
ハムノイズは、電源が原因になる場合があります。複数のペダルを同じ電源から分岐してつなぐと、ノイズが伝わりやすくなります。出力ごとに分離された電源に変えると、ノイズが減る場合があるとされています。
- 電池駆動に替えて、ノイズが減るか確認する
- パワーサプライの出力を、別のものに替える
- ACアダプターを、指定の別の個体に替える
電源を替えるときは、電圧・極性・電流を取扱説明書で確認してください。仕様の合わない電源は、故障や事故につながります。ボード全体の電源については エフェクターボードの組み方|電源・ケース・ラインセレクターの選び方 が参考になります。
ケーブルと接続が原因の場合
ビリビリ、ガリといった音は、ケーブルやジャックの接触不良のことが多いです。ケーブルを軽く動かしたときに音が変わるなら、断線や緩みが疑われます。
- シールドやパッチケーブルを、別のものに交換する
- ジャックにプラグがしっかり差さっているか確認する
- ケーブルを長くしすぎない。長いと、ノイズを拾いやすくなる場合がある
- ペダルのジャックのナットが緩んでいないか確認する。分解が必要なら、無理に開けず修理に相談する
楽器や環境が原因の場合
シングルコイルのピックアップは、構造上、ハムノイズを拾いやすいとされます。歪みを深くすると、目立ちやすくなります。向きや立つ位置を変えるとノイズが変わる場合があります。照明、パソコン、モニターなどの電気機器の近くでは、ノイズが増えることがあります。
楽器内部の配線やシールドの改善は、専門の知識が必要です。不安な場合は、楽器店やリペアに相談してください。
ノイズゲートを使う
原因を確認しても残るノイズには、ノイズゲートが使われます。ノイズゲートは、設定した音量より小さい音を切るエフェクターです。弾いていないときのノイズを消す使い方が中心で、弾いている間のノイズは消せません。
スレッショルド(切る音量の基準)を上げすぎると、音の終わりが不自然に切れます。まず低めの設定から調整してください。選び方は イコライザー・コンプレッサー・ノイズゲートの選び方|音を整えるエフェクター にまとめています。
ホワイトノイズやヒスを減らす考え方
- 歪みのゲイン(量)を下げ、必要なら音量(レベル)で補う
- 高域を持ち上げすぎない
- 歪み系を重ねすぎない
- 不要なエフェクターは、ボードから外す
回路に由来するノイズは、完全になくすことは難しい場合があります。目立たない範囲に抑える、という考え方が現実的です。
記録しておくと役立つこと
ノイズは、出たり出なかったりすることがあります。原因探しを効率よく進めるには、状況を書き留めておくのが有効です。
- どのエフェクターを、どの順番でつないでいたか
- 電源は電池か、ACアダプターか、パワーサプライか
- どこで演奏したときに出たか(部屋、スタジオ、ステージなど)
- ノイズが出たときの音量とつまみの位置
場所が変わると出方が変わる場合は、環境の電気的な状態が影響している可能性があります。メモがあれば、楽器店や詳しい人に相談するときも、状況が伝わりやすくなります。
大音量での確認について
ノイズを探すために音量を上げすぎると、耳に負担がかかります。確認は、小さめの音量で行ってください。
ノイズが減らないときの考え方
どれだけ切り分けても、ノイズが残る場合があります。エフェクターの数が多いほど、ノイズの総量は増えやすくなります。使っていないエフェクターを外す、歪みの重ねすぎを避けるといった整理も、有効な手段です。
それでも改善しない場合は、機材の故障の可能性もあります。自分で分解せず、楽器店やメーカーに相談してください。
まとめ
- ノイズは、種類によって原因と対処が異なる
- 最小構成から、1台ずつ足していって原因を探す
- 電源、ケーブル、接続順、楽器、環境の順に確認する
- ノイズゲートは、原因を確認したあとに使う
- 電気的な修理や分解が必要なときは、楽器店やリペアに相談する





