エフェクターは、どの順番でつなぐかによって、同じ機材でも音が大きく変わります。順番に迷うのは、初心者が必ず通る道です。
この記事では、一般的な並べ方の目安と、順番で音が変わる理由、例外の考え方、アンプのセンド/リターンまでを整理します。エフェクターの種類は エフェクターの選び方|種類・役割・接続順の基本 も参考にしてください。
この記事の要点
- 一般的な目安は「ダイナミクス系、歪み系、モジュレーション系、空間系」の順
- 順番が変わると、歪みの深さや響きの出方が変わる
- 目安に従う必要はなく、好みの音になる並べ方が正解になる
- アンプにセンド/リターンがある場合は、そこに空間系をつなぐ使い方もある
つなぐ順番で音が変わる理由
エフェクターは、前のエフェクターが出した音を受け取って加工します。そのため、後ろのエフェクターは、前のエフェクターが加工した音をさらに加工します。
たとえば、歪み系の後ろにディレイを置くと、歪んだ音が繰り返されます。逆に、ディレイの後ろに歪み系を置くと、繰り返しの音まで歪みます。同じ2台でも、順番で音の質感が違ってきます。
一般的な並べ方の目安
| 順番 | 種類 | 置く理由の目安 |
|---|---|---|
| 1 | チューナー | 元の音を、ほかの効果に影響されずに測れる |
| 2 | ダイナミクス系(コンプレッサーなど) | 元の音量を整えてから、後ろに送る |
| 3 | 歪み系 | 音を歪ませる。後ろに効果を足す土台になる |
| 4 | モジュレーション系(コーラス、フェイザーなど) | 歪んだ音に、揺れを加える |
| 5 | 空間系(ディレイ、リバーブ) | 最後に、響きや残響を足す |
この並べ方は、「元の音を整え、歪ませ、揺らし、最後に空間を足す」という考え方に基づきます。多くの入門書で紹介される目安です。
ワウやボリュームペダルの位置
ワウは、歪み系の前に置く例が多く、ワウで動かした音を歪ませる形になります。歪みの後ろに置くと、ワウが歪んだ音全体に効く形になり、効き方が変わります。
ボリュームペダルは、置く位置で働きが変わります。歪みの前に置くと、歪みに入る音量が変わり、歪みの量を足で調整する使い方になります。歪みの後ろ、空間系の前に置くと、音量全体を調整でき、ディレイやリバーブの響きも残ります。これらは位置による一般的な傾向であり、結果は機材との組み合わせで変わります。
目安と違う並べ方が使われる例
- 歪みを重ねる場合、軽い歪みを前、深い歪みを後ろに置く(逆にすることもある)
- イコライザーを、歪みの前に置いて歪みの質を変える
- モジュレーションを、歪みの前に置いて、揺れた音を歪ませる
- 空間系の前にノイズゲートを置き、響きの余韻を残す
目安と違う並べ方は、間違いではありません。意図的に音を変えたいときの工夫として使われます。迷う場合は、まず目安に従い、物足りないときに入れ替えて聴き比べてください。
順番を変えて試す手順
- 楽器、エフェクター、アンプの音量を絞った状態から始める
- 2台だけを選び、それぞれのつまみを中間にする
- 前後を入れ替えて、音の違いを聴き比べる
- 気に入った順番を決める。変更はひとつずつ行う
- 全体を並べたら、ノイズや音量差が増えていないか確認する
つなぎ替えるときは、必ず音量を絞り、電源を切った状態で作業してください。大きな音が出ると、聴覚に負担がかかる場合があります。電源のつなぎ方は エフェクターの電源の取り方|パワーサプライ・電池・ACアダプターの基本 を確認してください。
アンプのセンド/リターンを使う
アンプに「センド」と「リターン」の端子がある場合、そこにエフェクターをつなぐ方法があります。アンプの内部で、プリアンプ(音作りの部分)とパワーアンプ(音を大きくする部分)の間に、エフェクターを挿入する形になります。
歪みの強いアンプでは、歪みの後ろに空間系を置いたほうが、響きが濁りにくい場合があります。そのため、歪み系はアンプの前、空間系やモジュレーション系はセンド/リターンにつなぐ使い方が紹介されます。端子の有無や使い方は、アンプごとに異なるため、取扱説明書で確認してください。
ノイズやトラブルとの関係
順番は、ノイズにも関わります。歪み系を複数つなぐと、ノイズが増えやすくなります。原因の探し方は エフェクターのノイズ対策|ハム・ホワイトノイズを減らす手順 が参考になります。歪みの種類ごとの考え方は 歪み系エフェクターの選び方|オーバードライブ・ディストーション・ファズ も参考になります。接続順の関連情報は ギターアンプのつまみの使い方|ゲイン・ボリューム・イコライザー でも確認できます。
順番ごとの音の変化の例
代表的な組み合わせで、順番による音の違いの傾向を整理します。どれも一般的な傾向であり、機材や設定によって変わります。
| 組み合わせ | 歪みの前に置く | 歪みの後ろに置く |
|---|---|---|
| 歪み系とディレイ | 歪みの前にディレイ:繰り返しの音まで歪み、濁りやすい | 歪みの後ろにディレイ:歪んだ音がそのまま繰り返され、輪郭が保たれやすい |
| コンプレッサーと歪み系 | 歪みの前にコンプ:音量がそろった状態で歪みに入る | 歪みの後ろにコンプ:歪んだ音の音量差を整える |
| コーラスと歪み系 | 歪みの前にコーラス:揺れた音が歪む | 歪みの後ろにコーラス:歪んだ音に揺れを足す |
つなぎ方の確認ポイント
- 入力(INPUT)と出力(OUTPUT)の向きを間違えない。入力側に楽器、出力側に次の機器をつなぐ
- ケーブルを引っ張りすぎない。ジャックや端子が傷む原因になる
- 台数が増えたら、ケーブルの本数と長さを見直す
- チューナーは、電源の入れ方や接続方法が製品によって違うため、取扱説明書で確認する
迷ったときの考え方
順番に正解はなく、「出したい音になっているか」が基準です。迷ったときは、次の考え方が助けになります。
- 音を整える機材は前: チューナーやコンプレッサーのように、元の音を整えるものは前に置く
- 音色を変える機材は中ほど: 歪み系やモジュレーション系を置く
- 響きを足す機材は後ろ: ディレイやリバーブは最後に置く
- 気になる音があれば、そこだけ入れ替える: 全部を並べ直さず、1か所ずつ変更する
ギターだけでなく、ベースやキーボードにエフェクターをつなぐ場合も、考え方は基本的に同じです。ただし、低音や高音の扱いは楽器ごとに違い、対応する製品も異なります。つなぐ楽器に対応しているかは、製品の取扱説明書で確認してください。
まとめ
- つなぐ順番で、同じ機材でも音が変わる
- 一般的な目安は、ダイナミクス系、歪み系、モジュレーション系、空間系の順
- ワウやボリュームペダルは、置く位置で効き方が変わる
- 目安と違う並べ方も、好みで試してよい
- アンプのセンド/リターンは、取扱説明書で確認して使う





