ピックは小さな道具ですが、厚さや形、素材によって、弾きやすさや音の印象が変わります。種類が多く、最初はどれを選べばよいか迷いやすいものです。この記事では、ピックを選ぶときの基本的な見方を整理します。
この記事の要点
- 厚さは薄い・中間・厚いに分かれ、一般に薄いほど軽く、厚いほど音の粒がはっきりする
- 形は、ティアドロップ型やトライアングル型などで、持ちやすさと当たる角度が変わる
- 素材は樹脂系が中心で、滑りにくさや音の質感が異なる
- 初心者は、中間の厚さから始め、数種類を比べる方法がある
ピックの厚さと弾き心地
ピックの厚さはミリメートル(mm)で表示されることが多く、おおよそ次のように分類されます。分類の境目は製品や販売元によって異なるため、目安として考えてください。
| 分類 | 厚さの目安 | 一般的な傾向 |
|---|---|---|
| 薄い(シン) | 0.5mm前後以下 | しなりやすく、コードストロークに向く。音は軽く、明るい傾向 |
| 中間(ミディアム) | 0.6〜0.8mm前後 | しなりと硬さのバランスがよく、初心者が使いやすい |
| 厚い(ヘビー) | 0.9mm前後以上 | しなりが少なく、単音のリードで音の輪郭がはっきりする傾向 |
薄いピックは、弦に当たったときにしなるため、ストロークでの力が抜けやすくなります。厚いピックは、しなりが少なく、弦を直接はじく感触があります。ただし、感じ方には個人差があります。
形の種類
形によって、持ちやすさや、弦に当たる先端の角度が変わります。代表的な形は次のとおりです。
- ティアドロップ型: しずくの形。最も一般的で、ストロークから単音まで幅広く使われます。
- トライアングル型(おにぎり型): 三角形で、どの角も使えます。持ち替えやすく、先端が丸いものが多いです。
- ジャズ型(小ぶりな形): ティアドロップを小さくした形で、先端が尖っています。細かい動きの単音に向くと言われます。
- ラウンド型: 円に近い形で、角が少なく、やわらかい音になる傾向があります。
大きいものは持ちやすく、小さいものは細かい動きが出しやすい傾向があります。ただし、先端の形や角の丸さで音が変わるため、一概には言えません。
素材の違い
ピックの素材は、主に樹脂系のものが多く、ほかに金属、木、石などもあります。
| 素材 | 特徴の傾向 |
|---|---|
| セルロイド系 | 古くから使われる素材。表面が滑らかで、弾いたときの音も明るい傾向 |
| ナイロン系 | しなやかで、弦への当たりがやわらかい。耐久性がある傾向 |
| ポリアセタール系 | 表面に、滑り止めの加工がされているものが多く、耐久性がある傾向 |
| その他(金属・木など) | 音の個性が強い。弦や手への影響に注意が必要 |
素材の性質は、製品の加工や配合によっても異なります。表面の加工として、滑り止めのざらつきや、穴の開いたものなどがあります。汗で滑りやすい人は、グリップ加工のあるものが使いやすい場合があります。
ジャンルや弾き方との関係
- コードストローク(ジャカジャカと弾く): 薄い〜中間の厚さが使いやすい場合が多いです。
- 単音のリード・速いフレーズ: 中間〜厚めで、先端が小さい形が向くと言われます。
- アルペジオ(弦を1本ずつ弾く): 薄い〜中間のしなやかなものが合う場合があります。
- アコースティックの弾き語り: 薄めから中間で、弦をなでるように弾くことが多いです。
- 強く弾くロック系: 厚めで、しなりの少ないものが向く場合があります。
これらはあくまで一般的な傾向であり、同じジャンルでも人によって合うピックは違います。弾き方や、好みの音に合わせて選んでください。
初心者が試す順序
- まず中間(0.6〜0.8mm前後)のティアドロップ型を使う: 最も標準的で、基準になります。
- 弾いていて「しなりすぎる」と感じたら、厚めへ: 単音の粒がはっきりしやすくなります。
- 「硬くて弾きにくい」と感じたら、薄めへ: ストロークがしやすくなります。
- 形や素材を変えてみる: 厚さが決まったら、形や素材の違いを比べます。
複数枚が入ったセットを使うと、違いを比べやすくなります。ピックは消耗品で、使うほど先端が削れていきます。
よくある疑問
厚いピックのほうが上級者向きですか
厚いほうが上級者向き、ということはありません。厚いピックは、しなりが少ない分、弦に当たる感触がそのまま手に伝わります。慣れていないと、弾きにくく感じる場合もあります。弾き方に合うかどうかで選んでください。
アコースティックとエレキで、同じピックを使えますか
使えます。ただし、アコースティックの弦は太くて張りが強いため、薄すぎると頼りなく感じる場合があります。エレキは弦が細く、薄めのピックでも扱いやすい傾向があります。両方を弾く人は、いくつか用意して使い分ける方法があります。
ピックがすぐ手から滑ります
手の汗や、ピックの表面が滑らかなことが原因の場合があります。グリップ加工のある素材や、表面に凹凸のあるものを検討してください。持つ位置を変えるだけで、改善することもあります。
ピックを使い分ける場面
同じ曲の中でも、場面によってピックを替える人がいます。たとえば、静かなパートでは薄め、盛り上がるパートでは厚め、という具合です。ただし、初心者のうちは、1種類に慣れるほうが、手の動きが安定しやすい場合があります。弾き方が固まってきてから、必要に応じて増やしていくのがよいでしょう。
持ち方と交換の目安
ピックは、親指と人差し指の間で軽く挟みます。強く握ると、手や腕が疲れ、音も硬くなりがちです。力を抜いて、弦に当たる先端を少しだけ出す構えが一般的です。
先端がすり減って丸くなったり、傷やひび、欠けが出たりしたら、交換する目安です。欠けた破片で弦や指を傷つけることがあるため、そのまま使い続けないようにしてください。小さい物なので、小さな子どもやペットが誤って口にしないよう、保管にも注意しましょう。
手が痛くなるなど、体に違和感が続く場合は、練習を中断し、続くようなら医療機関に相談してください。練習の進め方はギターの練習の始め方|最初の1か月のメニュー例も参考になります。
まとめ
- 厚さは、薄い・中間・厚いの3段階。初心者は中間から始めやすい
- 形は、ティアドロップ型が標準。目的に合わせて、他の形も比べる
- 素材は、滑りにくさと音の質感が異なる
- 弾き方に合わせて選び、違和感があれば別の種類に替える
周辺アクセサリー全体の選び方はギターアクセサリーの選び方|チューナー・シールド・ストラップ・弦・ピック・スタンドにまとめています。





