チューナーにはいくつかの種類があり、使う場面によって向き不向きがあります。この記事では、代表的な3種類(クリップ式・ペダル式・アプリ)の特徴と、場面ごとの使い分け、選ぶときに見る点を整理します。
この記事の要点
- クリップ式は、ヘッドに挟んで振動で測るため、騒がしい場所でも使いやすい
- ペダル式は、接続の途中に入れて使い、音を切って調弦できるものが多い
- アプリは手軽だが、周囲の音の影響を受けやすい
- 基準ピッチの設定と、見やすさ、電源を確認して選ぶ
チューナーの仕組みの違い
チューナーは、音の高さ(周波数)を測り、目標の音とどれだけずれているかを表示します。測り方には、大きく3つの方式があります。
- 振動を拾う方式: 楽器のヘッドなどに触れて、本体の振動から音を判断します。空気中の音を拾わないため、周囲の音の影響を受けにくくなります。
- 音を拾う方式(マイク): 空気中の音をマイクで拾います。周囲に他の音があると、反応が乱れやすくなります。
- 電気信号を直接取り込む方式: エレキなどで、ケーブルからの信号を使います。
この違いが、後述する使い分けの大きな理由になります。調弦の基本的な手順はギターのチューニングのやり方|レギュラーチューニングとチューナーの使い方で説明しています。
クリップ式チューナー
洗濯ばさみのようにヘッドに挟んで使うタイプです。ギター、ベース、ウクレレなど、多くの楽器に使えます。
| 長所 | 注意点 |
|---|---|
| 振動で測るため、周りが騒がしくても使いやすい | ヘッドの形や厚みによっては、挟みにくいことがある |
| アコースティックにもエレキにも使える | 挟む位置で反応が変わる場合がある |
| 電池式のものが多く、持ち運びやすい | 電池が切れると使えない |
画面の向きを変えられるものは、構えたまま見やすいという利点があります。ヘッドを傷つけないよう、挟む部分に保護材が付いているかも確認しましょう。
ペダル式チューナー
エレキギターやベースのシールドケーブルの途中に入れて使う、足元に置くタイプです。ステージで足で踏んで操作できます。
- 特徴: ケーブルから直接信号を受けるため、反応が安定しやすい。音を消して調弦できるものが多く、ステージ上で観客に調弦の音を聴かせずに済む。
- 向く場面: バンドの演奏、ライブ、スタジオ。エフェクターボードを組んでいる人。
- 注意: アンプやケーブルなど接続が必要。電源は電池かACアダプターで、種類や極性は製品ごとに異なる。電源の仕様は、必ず取扱説明書で確認する。
アコースティックギターでも、ピックアップがあるエレアコなら使えます。ただし、ピックアップのないアコースティックギターには、直接つなげません。
アプリ(スマートフォン)
スマートフォンのマイクで音を拾うタイプです。インストールすればすぐ使え、追加の機材が要りません。
- 向く場面: 静かな部屋での自宅練習。まず手軽に始めたい人。
- 注意: 周りの音(話し声、他の楽器、エアコンなど)を拾うと、表示が不安定になる。スマートフォンの電池を使うため、練習中に電池が減る。
アプリの機能や画面は製品ごとに違います。基準ピッチを変えられるか、各弦の音名が確認できるかを見ておくとよいでしょう。
基準ピッチとは
基準ピッチは、チューニングの基準となる音(A)の周波数のことです。多くの場合、A=440Hzが標準として使われています。
チューナーによっては、この値を変えられます。たとえば、他の楽器と合わせるときに、相手の基準に合わせたい場面があるかもしれません。一般的な練習では、初期設定のままで構いません。値を変更したままだと、他の人の楽器とずれる原因になるので、設定を戻し忘れないようにしましょう。
場所による使い分け
| 場所 | 向く種類 | 理由 |
|---|---|---|
| 静かな自宅 | クリップ式、アプリ | 周囲の音が少なく、どれでも測りやすい |
| バンドのスタジオ・リハーサル | クリップ式、ペダル式 | 他の楽器の音があるため、振動や直接の信号で測る方式が安定する |
| ステージ | ペダル式 | 音を消して調弦できる。足で操作できる |
| 屋外 | クリップ式 | 風や周囲の音の影響を受けにくい |
静かな場所では、どの方式でも測りやすいため、使い慣れたものを選べば問題ありません。一方、騒がしい場所では、マイクで音を拾う方式は他の音を誤って拾う可能性が高くなります。そのため、バンドの練習や人の多い場所では、振動や直接の信号で測る方式が向いています。
選ぶときに見る点
- 対応する楽器: ギター、ベース、ウクレレなど。ベースの低い音に対応しているかを確認する。
- 見やすさ: 画面の大きさ、明るさ、角度。暗いステージや明るい屋外でも見えるか。
- 反応の速さ: 弾いてから表示されるまでの時間。
- 基準ピッチの変更: A=440Hzを変えられるか。
- 電源: 電池かUSBか、ACアダプターか。電池の種類や交換のしやすさ。
- サイズと携帯性: ケースに入れて持ち運べるか。
機能が多いと、画面が複雑になる場合があります。初心者は、音名がはっきり見える、シンプルなものが使いやすいでしょう。他の小物との合わせ方はギターアクセサリーの選び方|チューナー・シールド・ストラップ・弦・ピック・スタンドで整理しています。
複数持つという考え方
1台ですべての場面をまかなう必要はありません。自宅ではアプリやクリップ式、バンド活動を始めたらペダル式を追加するなど、活動の広がりに合わせて足していく方法があります。クリップ式は小さくてケースに入れやすいため、予備として1台持っておくと、本番前の電池切れなどのトラブルに備えられます。
チューナーが使えないときの対処
- 表示が安定しない: 弦を軽く弾き直し、他の弦に触れないようにする。クリップ式は挟む位置を変える。
- 音名が思った弦と違う: 弦がかなり緩んでいる、または張りすぎている場合がある。目標の音に近づくまで、ペグを少しずつ回す。
- まったく反応しない: 電池切れ、ケーブルの接触不良、スマートフォンのマイク許可の設定などを確認する。
使うときの注意点
- チューナーの表示を過信せず、ときどき耳でも響きを確認する。
- 弦を弾く強さが強すぎると、表示が不安定になることがある。軽く弾いて、音が減衰するまでの間に合わせる。
- 湿度や温度の変化で、チューニングは変わる。練習のたびに確認する。
- 電池の消耗で反応が鈍くなったら、電池を交換する。
まとめ
- クリップ式は振動で測り、騒がしい場所でも使いやすい
- ペダル式はステージ向きで、音を消して調弦できる
- アプリは手軽だが、周囲の音の影響を受けやすい
- 選ぶときは、対応楽器、見やすさ、基準ピッチ、電源を確認する





