ベースの弦は、使うほど音がこもったり、チューニングが安定しなくなったりします。弦交換は慣れれば難しい作業ではありませんが、ギターより弦が太くて長く、扱いに注意が必要です。この記事では、ベースの音名の確認から、交換の手順、調弦、交換の目安までを整理します。
この記事の要点
- 4弦ベースは、4弦から順に E・A・D・G に合わせる
- 5弦ベースは、さらに低いB弦が加わり、B・E・A・D・G になる
- 弦は1本ずつ交換すると、ネックへの負担が少なく、元の状態に戻しやすい
- 切った弦の先端は、目や指のケガの原因になるため、取り扱いに注意する
ベースの弦の音名
ベースの弦は、太い弦から順に番号が付きます。最も太い弦が4弦、最も細い弦が1弦です。
| 弦 | 4弦ベース | 5弦ベース |
|---|---|---|
| 5弦(最も太い) | なし | B(シ) |
| 4弦 | E(ミ) | E(ミ) |
| 3弦 | A(ラ) | A(ラ) |
| 2弦 | D(レ) | D(レ) |
| 1弦(最も細い) | G(ソ) | G(ソ) |
4弦ベースのE・A・D・Gは、ギターの低い4本の弦(6〜3弦のE・A・D・G)と同じ音名で、音の高さは1オクターブ低くなります。5弦ベースは、4弦ベースの低い側に、低いBの弦を足した並びです。製品によっては、高い音側に弦を足した並びのものもあるため、取扱説明書や仕様で確認してください。
ギターの調弦はギターのチューニングのやり方|レギュラーチューニングとチューナーの使い方で説明しています。ギターとは弦の本数と音の高さ(1オクターブ低い)が違う点に注意してください。
弦を替える前に準備すること
- 弦のセットを確認する: 弦の本数(4弦用か5弦用か)、スケール長(ロングスケール用など)、ゲージ(太さ)が、ベースに合っているか確認します。ベースの仕様はベースの選び方|初心者が確認したいポイントも参考にしてください。
- 道具をそろえる: ニッパー(弦を切る工具)、ストリングワインダー(ペグを回す道具)、チューナー、クロスがあると便利です。
- 作業場所を整える: 弦の先端が飛んでも危なくない場所で作業します。ベースを傷つけないよう、柔らかい布を敷きましょう。
- 保護具を考える: 弦が切れたり跳ねたりしたときに備えて、目を守る保護メガネがあると安心です。
弦の交換手順
1.古い弦を外す
ペグを緩めて、弦がたるむまで回します。緩んだ弦を、ブリッジ側とヘッド側から外します。弦が張った状態で切ると、勢いよく跳ねてケガをする原因になります。必ず緩めてから外してください。
2.1本ずつ替える方法と、全部外す方法
- 1本ずつ替える: ネックにかかる力の変化が小さく、ブリッジの位置なども変わりにくくなります。初心者に向いています。
- 全部外してから替える: 指板(弦を押さえる板)やフレットを掃除したいときに行います。ネックの状態に不安がある場合は、楽器店に相談してください。
3.新しい弦を通す
弦の取り付け方は、ベースによって違います。ボディの背面から通す「ボディ裏通し」と、ブリッジの上から通す方式があります。どちらか分からないときは、取扱説明書を確認してください。
4.ペグに巻く
- 弦をヘッドまで引き、通すペグの位置を確認する。
- 次のペグの位置あたりまでの長さを目安に、弦を直角に曲げ、その先を切ってから穴に差し込む。弦のパッケージや取扱説明書の指示がある場合は、それに従う。
- 穴に差し込んだ弦を、巻く向きに沿って、ゆっくり回して巻く。
- 巻き数は、弦が太いほど少なめにするのが一般的。製品や説明書の指示に従う。
- 弦が、ペグの下の方から順に重ならないように巻く。
巻き数を多くしすぎると、弦のたるみで音程が不安定になります。逆に少なすぎると、弦が抜けることがあります。
5.切った弦の先端の扱い
弦は、張力がかかる前に、長さを決めて切ります。巻き線のある部分を張ったまま切ると、巻き線がほどけて弦が使えなくなる場合があります。切った先端は、鋭くなっており、目や指を傷つけることがあります。ニッパーを使うときは、先端が飛ばないよう手で押さえ、顔を近づけすぎないでください。
調弦と、新しい弦の落ち着き
新しい弦は、張りたてのうちは伸びやすく、音が下がりやすくなります。チューナーで合わせ、しばらく弾いて、再び合わせることを繰り返します。
- 4弦から順に、チューナーで合わせる。
- 弦を軽く持ち上げて、数回引っ張り、弦を落ち着かせる(強く引っ張りすぎない)。
- 再度チューナーで確認する。
これを何度か繰り返すと、安定してきます。作業のあと、弦の高さやネックの反りに不安があるときは、自分で調整せず、楽器店やリペアに相談してください。トラスロッド(ネックの反りを調整する金属棒)は、触り方を誤るとネックを傷める可能性があります。
ペグとブリッジでの注意
- ペグを回すときは、ゆっくり、少しずつ。急に回すと、弦が切れたり、ペグを痛めたりします。
- ペグの向きや位置は、ベースによって異なります。弦の通し方を確認してから巻いてください。
- ブリッジの部品(サドルなど)を触ったとき、位置がずれると、音程に影響します。外れた部品を元の位置に戻せない場合は、楽器店に相談してください。
- 弦の先端がボディの塗装に当たって、傷つけないように注意する。
5弦ベースの低いB弦
5弦ベースの低いB弦は、他の弦よりもかなり太く、張りがゆるく感じられることがあります。そのため、弦のセットは、5弦用のものを選ぶ必要があります。弦の長さが足りないと、ペグまで届かないことがあるため、スケール長が合うかを確認しましょう。
チューニングは、B弦を合わせるとき、チューナーが低い音に対応しているかを確認してください。対応していないと、表示が不安定になります。
交換の目安
弦の交換時期は、弾く量や、手の汗の質、保管環境によって大きく変わります。次のような状態が出てきたら、交換を考える目安になります。
- 音がこもる、伸びが短くなる、音の輪郭がぼやける
- チューニングを合わせても、すぐにずれる
- 弦の表面が黒ずむ、サビが出る、触るとざらつく
- 巻き線がほどけている、傷がある
弦を長く使うために、弾いたあとにクロスで拭いて、汗や汚れを取る習慣をつけると、劣化を遅らせやすいと言われます。アンプの音作りについてはベースの音作り入門|アンプとイコライザーの基本、周辺機器の選び方はベースアンプ・エフェクター・アクセサリーの選び方を参考にしてください。
まとめ
- 4弦ベースは E・A・D・G、5弦ベースは B・E・A・D・G
- 弦は、本数・スケール長・ゲージが合うものを選ぶ
- 初心者は、1本ずつ替えるとやりやすい
- 弦を切る・張るときは、目と指のケガに注意する
- 音のこもり、サビ、チューニングの不安定さが、交換の目安





