ギターとアンプをつなぐケーブルは、毎回使う基本の道具ですが、長さや扱い方で悩む人は少なくありません。この記事では、ケーブルの仕組みから、長さの考え方、巻き方、断線やノイズが出たときの確認手順までを整理します。
この記事の要点
- ギターケーブルは、信号を通す芯線と、ノイズを防ぐ外側の網(シールド)でできています。
- 長いケーブルは、状況によって高音が弱くなる場合があるため、使う場所に合わせた長さを選びます。
- 断線の多くは、プラグの付け根です。巻き方と抜き差しの習慣で、傷みを減らせます。
ギターケーブルの構造の基本
ギターケーブルは「シールド」とも呼ばれます。これは、ケーブルの中にノイズを防ぐ仕組み(シールド)があることに由来する呼び方です。
ケーブルの内部は、おおまかに次の部分でできています。
- 芯線:ギターの音の信号を通す中心の線です。
- シールド(網線):芯線の周りを囲み、外からのノイズを遮る役割をします。
- 被覆(外皮):全体を包む外側の部分です。
プラグの先端(チップ)に芯線がつながり、根元側(スリーブ)にシールドがつながっています。この構成は、一般的なギター用の2極(モノラル)プラグの基本の形です。
長さと音の関係
ケーブルが長くなるほど、ケーブルの内部にたまる電気の性質(静電容量)が増えるため、高音が弱くなる場合があると言われています。ギターのピックアップは、出力側の条件の影響を受けやすいため、長いケーブルでは音がこもったように感じることがあります。
ただし、実際の聞こえ方は、ギターの種類、ケーブルの品質、アンプの種類などによって変わります。長さの数値だけで決めず、使う場所に合わせて考えるのが基本です。
| 使う場面 | 長さの考え方 |
|---|---|
| 自宅の机の近くで練習 | 短めで足りる場合が多い。ケーブルが邪魔にならない長さを選ぶ |
| 部屋の中で動きながら練習 | アンプまでの距離に余裕のある長さを選ぶ |
| バンド・スタジオ | 移動できる範囲を考え、足元をはうケーブルが多くなりすぎない長さにする |
| ステージで広く動く | 長めのケーブルを使うこともあるが、音への影響も考える |
ケーブルが長すぎると、足にひっかける危険や、余った部分の処理の手間も増えます。「短すぎて引っ張られない」ことと「長すぎない」ことの両方を満たす長さを選ぶのが基本です。複数のケーブルを選ぶ場面については、ギターアクセサリーの選び方|チューナー・シールド・ストラップ・弦・ピック・スタンドでアクセサリー全体の選び方を紹介しています。
ストレートプラグとL字プラグの違い
ギターケーブルのプラグには、まっすぐなストレート型と、L字に曲がったL字型があります。ギター側とアンプ側で、使い分ける人もいます。
| 種類 | 特徴 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| ストレート | プラグが一直線。ジャックから横へ飛び出る | 側面にジャックがあるギターで、ケーブルの向きに余裕がある場合 |
| L字 | プラグが90度曲がっている。ジャックの周りがすっきりする | ジャックが表面にあるタイプで、ケーブルがじゃまになりやすい場合 |
L字は、プラグの向きが固定されるため、ケーブルが体に当たらない向きに差せるか、ギターのジャックの位置で確認します。ストレートは、ケーブルが引っ張られたときに、プラグの付け根に力がかかりやすい点に注意が必要です。どちらが良いということはなく、自分のギターとスタイルに合うかで判断します。
巻き方と保管の基本
プラグの付け根は、抜き差しや巻き方で力がかかりやすく、傷みやすい部分です。腕に巻きつけたり、強くねじったりすると、内部の線が傷みます。
基本の巻き方(ゆるい輪を作る)
- ケーブルの片端を持ち、手のひらの幅くらいの大きな輪を作ります。
- 輪を作る向きを、交互に変えます(手前、奥、手前、奥)。ねじれを防ぐための工夫です。
- 最後に、ケーブルの余りでゆるく束ねます。
- プラグ周辺は、強く曲げないようにします。
保管のポイント
- きつく巻いたり、小さな輪にしたりしません。
- 重いものの下に置いたり、ドアに挟んだりしません。
- 高温になる場所や、直射日光の当たる場所を避けます。
- プラグの金属部分がぬれたり、汚れたりしないようにします。
断線しやすい箇所
ケーブルの断線は、プラグの付け根の近くで起こることがあります。ここは、引っ張りや曲げで力がかかりやすい部分です。
- ケーブルを引っ張って抜かず、プラグ本体を持って抜きます。
- ギターを持ったまま足でケーブルを引っかけないように、取り回しを工夫します。
- スタンドやケースに入れるときに、ケーブルを踏んだり挟んだりしないようにします。
断線の兆候として、ケーブルを動かすと音が途切れる、ガリガリというノイズが出る、といった症状があります。このような症状が出たら、別のケーブルに替えて、ケーブルが原因かを確認します。
プラグの分解や半田づけでの修理は、慣れていないと危険です。不安な場合は、楽器店に相談してください。
ノイズが出るときの確認手順
音が出ない、またはノイズが出る場合は、ケーブルが原因とは限りません。次の順番で、原因を絞り込みます。
- ケーブルをつなぎ直す:プラグがきちんと奥まで差さっているか確認します。
- ケーブルを替える:別のケーブルで同じ症状が出るか確認します。出なければ、元のケーブルが原因の可能性があります。
- ギターを触ったときの変化を見る:ギターの金属部分に触れるとノイズが変わる場合は、アースや周辺環境の影響が考えられます。
- 場所を変える:照明器具やパソコンなどの近くでノイズが増えることがあります。
- エフェクターやアンプの設定を確認する:ゲインが高いと、ノイズが目立ちやすくなります。
ノイズの種類と対処の考え方は、エフェクターのノイズ対策|ハム・ホワイトノイズを減らす手順で詳しくまとめています。電源まわりについてはエフェクターの電源の取り方|パワーサプライ・電池・ACアダプターの基本を参考にしてください。
抜き差しの習慣
アンプにつないだまま、ギターのケーブルを抜き差しすると、「ブツッ」という大きな音が出る場合があります。スピーカーや耳への負担を避けるために、次の習慣をつけておくと安心です。
- ケーブルを抜き差しする前に、アンプの音量を下げます。
- 演奏を休むときは、ギターのボリュームを下げるか、ケーブルを外します。
- 片付けるときは、アンプの電源を切ってからケーブルを抜きます。
まとめ
- ギターケーブルは、芯線とシールドで構成され、ノイズを抑える作りになっています。
- 長さは、使う場所に合わせて、必要な長さを選びます。
- 巻き方はゆるい輪を交互に作り、プラグの付け根に負担をかけないようにします。
- ノイズが出たら、つなぎ直し、ケーブルの交換、場所の変更の順に原因を絞ります。
- 修理に不安がある場合は、楽器店に相談してください。





