エフェクターを買ったあと、最初に迷うのが電源です。電池で動くのか、ACアダプターが必要なのか、複数台ならどうまとめるのか、疑問は尽きません。
この記事では、電源の種類、電圧と極性、電流容量の考え方、ノイズとの関係、やってはいけない接続を整理します。なお、電源の仕様は製品ごとに異なります。実際に接続するときは、必ず各製品の取扱説明書や本体の表示で確認してください。
この記事の要点
- 電源は、電池、ACアダプター、パワーサプライの3つが基本
- 電圧は9Vが多いが、製品によって異なる。極性は、センターマイナスが多いとされるが、必ず取扱説明書で確認する
- 複数台をつなぐときは、各ペダルの必要電流の合計が、電源の供給量以内になるようにする
- 電圧や極性の違うものを無理につなぐのは、故障や事故の原因になる
電源の種類と違い
| 種類 | 特徴 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 乾電池 | 手軽で配線が不要。消耗すると交換が必要 | 1〜2台で使う、ケーブルを減らしたい |
| ACアダプター | コンセントから給電。1台ごとに必要になる場合がある | 自宅や練習スタジオで、決まった台数を使う |
| パワーサプライ | 複数台のペダルに、まとめて電源を供給する | ボードに多数のペダルを載せる |
乾電池を使うとき
コンパクトエフェクターには、9V形の角形電池で動く製品が多くあります。電池はコストがかかり、残量が分かりにくい点が弱点です。電池が減ってくると、音がこもったり、歪みの質が変わったりする場合があります。電池の種類(アルカリ、マンガンなど)や交換の方法は、取扱説明書で確認してください。使わないときは、電池を外しておくと、液漏れなどの心配が減ります。
ACアダプターを使うとき
ACアダプターは、決まった電圧で、表示された電流まで供給できます。エフェクターごとに必要な仕様が決まっているため、指定されたものを使うのが基本です。似た形状のアダプターでも、電圧や極性が違う場合があります。
パワーサプライを使うとき
パワーサプライは、複数の出力を持ち、各ペダルに電源を供給する機器です。ボードを組む場合の基本になります。ボード全体の考え方は エフェクターボードの組み方|電源・ケース・ラインセレクターの選び方 にまとめています。
電圧の確認
エフェクターの電圧は、9Vが多いとされます。ただし、12Vや18Vなど、異なる電圧で動く製品もあります。電圧が合わないと、動かなかったり、故障したりする場合があります。
- 本体や取扱説明書に、「DC 9V」などの表示がある
- 表示がある場合は、その値に合わせた電源を選ぶ
- 複数の電圧に対応している場合は、取扱説明書に使い分けの説明がある
- 表示が見つからない、読み取れないときは、使用を控えてメーカーなどに問い合わせる
極性の確認
電源のプラグには、「極性」があります。プラグの中心がプラスなのか、マイナスなのかを指します。エフェクターでは、センターマイナスが多いと言われますが、すべてがそうとは限りません。
極性を間違えて接続すると、故障の原因になる場合があります。取扱説明書や本体のマークで、必ず確認してください。極性のマークは、中心の端子と外側のどちらがプラスかを示す図で表されることが多いです。
電流容量の合計
電流(mAなどで表示される)は、エフェクターが動作するために必要な量です。パワーサプライの各出力には、供給できる電流の上限があります。
- 各ペダルの必要電流を、取扱説明書で確認する
- 同じ出力に複数のペダルをつなぐ場合は、合計する
- パワーサプライの出力の上限と比べ、足りているかを確認する
- 余裕を持たせる。デジタル式のペダルは、電流が大きい場合がある
電流が足りないと、動作が不安定になったり、音が途切れたりする場合があります。
ノイズと分離電源
1つの電源から複数のペダルを分岐してつなぐと、ペダル同士でノイズが伝わることがあります。そのため、出力ごとに回路を分離した「アイソレート(絶縁)タイプ」のパワーサプライが使われます。ノイズの原因は電源だけではないので、切り分けは エフェクターのノイズ対策|ハム・ホワイトノイズを減らす手順 を参照してください。
やってはいけない接続
- 電圧や極性が不明なアダプターを使う
- 指定より高い電圧のアダプターをつなぐ
- 極性が逆の状態で接続する
- 電流容量が足りないまま、複数台をつなぐ
- 濡れた手で、コンセントやプラグに触れる
- ケーブルが傷んだまま使う
- 分解して改造する
少しでも不安があれば、使用を止めて、楽器店やメーカーに相談してください。
電源を選ぶ手順
- 使うペダルの電圧・極性・電流を、取扱説明書で書き出す
- 台数が少なければ、電池かACアダプターを検討する
- 台数が多ければ、パワーサプライを検討する
- パワーサプライの出力の電圧・極性・電流を確認する
- 接続したあと、音量を絞った状態から確認する
つなぐ順番の考え方は エフェクターの接続順の基本|つなぐ順番で音が変わる理由 で、エフェクター全般の選び方は エフェクターの選び方|種類・役割・接続順の基本 で確認できます。
よくある疑問
電池とACアダプターで、音は変わりますか
一般に、電池駆動とアダプター駆動で音の印象が変わると言われる製品があります。電池は電圧が少しずつ下がるため、歪みの質感が変わる場合があるとされます。ただし、変化の大小は製品によって異なります。気になる場合は、取扱説明書で推奨の電源を確認してください。
ACアダプターは、どれを買っても使えますか
使えません。見た目が似ていても、電圧、極性、電流が異なる場合があります。ACアダプターを新たに用意するときは、ペダルの取扱説明書にある仕様と、アダプター本体のラベルの表示を照らし合わせます。「交流(AC)」を出力するアダプターと、「直流(DC)」を出力するアダプターは別物で、エフェクターの電源は多くは直流(DC)ですが、交流を指定する製品もあるため、本体の表示と取扱説明書で確認してください。
パワーサプライは最初から必要ですか
必須ではありません。ペダルが2〜3台程度で、ACアダプターや電池で足りているなら、すぐに必要とは言えません。台数が増えて、コンセントや電池の管理が負担になったときが、導入を考えるタイミングです。
電源まわりの点検習慣
- 使う前に、電源ケーブルの被覆に傷がないか確認する
- プラグの差し込みが緩んでいないか確認する
- 電池は、定期的に残量や液漏れを確認する
- 使わない期間が長いときは、電源から外しておく
まとめ
- 電源は電池、ACアダプター、パワーサプライの3つが基本
- 電圧・極性・電流は、必ず取扱説明書で確認する
- 複数台の合計電流が、電源の供給量以内になるようにする
- ノイズが気になるときは、分離した電源も候補になる
- 仕様が不明な電源は使わない





